カシマさん私の仕事先の後輩、田中さんが中学生の時の話だそうだ。田中さんの学校には所謂『学校の怪談』と呼ばれるものがあった。『トイレの花子さん』、『赤マント』、『テケテケ』、『音楽室のベートーヴェン』……有名な都市伝説、学校の怪談が数多くあったが、その中でも田中さんが1番恐れた噂があった。それは『カシマさん』。当時、以下のような噂が流れていたそう。【2階の女子トイレに『カシマさん』が出る。その『カシマさん』は3つの質問をしてくる。その質問に正しく答えなければ身体の一部を持っていかれる】何故、彼女がこの噂を恐れていたのか……それは彼女がこの噂を知った時、その『2階の女子トイレ』の掃除当番だったからである。彼女の中学校では、トイレ掃除は日直がやることになっていたからである。夕方、日直の男の子は男子トイレの掃除に。自分も女子トイレの掃除を行う為に中に入る。「………うさ……おか……」何処からか声が聞こえる。(え?)辺りを見渡すが誰もいない。気のせいかな……そう思った矢先。「お……さ……お...2019.05.26 11:44
闇の誘い10年程前のある夏の日の出来事。職業の後輩が息を切らしながら私の自宅に来た。時刻は夜中の3時。「先輩!助けてください。」そう彼は私に言ってきた。迷惑だと追い返したが、彼は食い下がる。遂には妻までも起きてきてしまったので、近くのファミレスに彼と行くことにした。彼……、仮にAと呼ぼう。Aはファミレスの席に着くなり、話を始めた。それは先程の事だったという。就寝の準備をし、布団を被り電気を消し、床に就いた。しかし、その日に限り寝つきが悪い。何かある訳ではないのだが、とにかく寝つきが悪い。ふと、天井に目をやると何かがふよふよと浮いていた。真っ暗でかつ、寝ようと目を閉じていたので目の焦点が合わず、じっと『それ』を見つめていた。段々と焦点が合うようになり、暗闇にも目が慣れてきてようやく『それ』が何なのか分かったという。それは人間の手だったそう。しかも『こっちにおいで』と言わんばかりに手招きをしている手だった。『それ』に気が付き、急いで家から出てきて今に至るという。私はこういった、世...2019.05.22 12:43